誰もが少数派

どんなことにも  違う見方があり どんな意見にも  違う意見がある 見方が違えば  同じことでも 違って見える 意見が違えば  同じ立場だとしても 賛成はできない 見方はひとつではなく ふたつ以上あることが多い  時には 100もの違う見方があったりする 意見もひとつではなく ふたつ以上あるのがあたりまえで  時には 100もの違う意見があったりする たくさんの違った見方を単純化して2つの見方に括り  賛成か反対かで物事を決めるのが民主主義だとしたら  民主主義はたくさんの見方を無視するやり方ではないか たくさんの違った意見を単純化して2つの意見に括り  賛成か反対かで物事を決めるのが民主主義だとしたら  民主主義はたくさんの意見を封じ込めるやり方ではないか 100%の黒と 75%のグレイと 51%のグレイとでは  ぜんぜん違うのに  どれも黒と呼び 0%の白と 25%のグレイと 49%のグレイとでは  ぜんぜん違うのに  みんな白と呼ぶ 51%のグレイと 49%のグレイとは  ほとんど同じなのに  片方は黒で もう片方は白だという そんな無茶なことを いいことだと信じ  多数でもないのに 多数だといい  正しくもないのに 正しいという いい加減な私たちには  民主主義などと言う  いい加減なシステムがよく似合う いつかいい加減でなくなった私たちの前に  進化した AI が考え出したもっといいシステムが現れて  多数決という欺瞞を正してくれるのだろうか いつも少数派の僕の見方が取り上げられたり いつも少数派の僕の意見が通ったりする そんな日が来るのだろうか それとも やっぱり 来ないのだろうか